好血圧だより

血圧をネタにする不真面目なブログです

没後90年と生誕100年

不朽の名作だァ

今年は宮沢賢治の没後90年、そして司馬遼太郎の生誕100年という節目の年です。ということは、司馬さんが10歳の年に宮沢賢治は亡くなったわけですか。いうまでもなく、お二方とも日本文学史上の巨星でありまして、野球なら永久欠番名球会会員です。相撲なら雷電双葉山。・・・サインください!

宮沢賢治は無名のまま肺病でたった37年の生涯を終えますが、その短い人生は、自身の書いた悲劇的童話、あるいは詩そのものでありました。行き過ぎなほど無欲で利他主義の生活によって健康を害し、そのために早世する賢治の精神は『銀河鉄道の夜』や『よだかの星』他に色濃く反映されております。

彼は『注文の多い料理店』の序文で、読者の子供たちに向かって「これらのものがたりが、あなたのすきとおったほんとうのたべものになることをねがう」と書いていますが、これはずっと後年、司馬遼太郎が言った「明治の透き通った格調高い精神」という言葉と符合するように、私には感じられます。両者の「すきとおった(透き通った)」という抽象的な言葉を理解するにはちょっとした想像力が要りますが、私欲より公への奉仕が尊い、というのが宮沢賢治司馬遼太郎に共通する哲学であったのでしょう。聞いとるか、現代の政治家や官僚。

 

話しはとぶようですが、宮沢賢治は天ぷらそばと三ツ矢サイダーが好物だったそうですな。現代人にはあまりピンとこない組み合わせですが、当時はハイカラで贅沢なご馳走だったのでしょう。大正時代の三ツ矢サイダーは天ぷらそばよりずっと値段が高かったそうな。ちなみに、賢治が通っていた蕎麦屋さんは現在も花巻に健在で「賢治セット」というメニューがあるそうです。サイダーでそばより稼いでおられる・・・てことはないと思います。たぶん。

わたしもイーハトーブ気分を味わいたくて、マネしてみました。題して「おバカ風賢治セット」。

 「ほんとうのさいわいとはなんだろう」
そば88円  サイダー55円

 

さて、司馬遼太郎は文壇デビューと同時にスーパースターになりましたが、食い倒れの街大阪に生まれながら、食べ物に興味がなかったそうです。同郷の開高健らとはエライ違い。その数少ない好物というのが、きつねうどんとコーヒーだったそうで。質素ですね。これもマネしてみました。題して「おバカ風街道をゆくセット」

司馬史観といわれるのは嫌い」
うどん88円  コーヒー36円

 

没後90年と生誕100年を偲ぶ費用が、計267円。吹けば「翔ぶが如く」額ですが、「ほんとうのさいわい」とは金額ではありません。よね?

お大痔に。