好血圧だより

血圧をネタにする不真面目なブログです

司馬さんの同級生たち

2月12日は菜の花忌です

司馬遼太郎が亡くなって、もう27年がたちます。先日も書きましたが、今年は生誕100年。今回は、同じく今年生誕100年を迎える人びとのなかで、司馬さんと縁のあった故人を思い出してみたいのであります。

 

李登輝 : 台湾の元総統。『街道をゆく』で台湾を訪れた司馬さんを官邸に招き対談しています。日本語ペラペラの知日派。引退後来日した際には、司馬さんのお墓にお参りされたそうであります。

 

池波正太郎 : ご存知、時代小説の大家。司馬さんは池波の愛読者でファンレター書いたこともあったとか。テレビドラマの『鬼平犯科帳』も観てたのかな。そういえば、中村吉右衛門さんもお亡くなりになりましたなあ。合掌。

 

遠藤周作ノーベル文学賞候補になったこともあるという作家、狐狸庵先生。ある時期、司馬さんとは毎年、正月に京都の同じホテルに宿泊しては、奥さまがたを遠ざけ二人だけで話し込んでいたそうです。どんな会話してたんでしょうかね。案外、どうやったらオンナにモテるか、なんてことを・・・? なお、お二人は同じ年(平成8年)に亡くなられてもいます。

 

牧羊子 : 作家開高健の夫人。司馬さんは開高健の葬儀に羊子夫人からの依頼で弔辞を読んでいます。この弔辞がまた名文でありまして、直接の付き合いは薄かったにしても、その作品群への心服のほどが分かります。『十六の話』に全文が載っていますので、開高ファンにもぜひ読んで欲しいです。

 

蔦文也元徳島県立池田高校野球部監督。あまり野球好きでなかった司馬さんも “さわやかイレブン” の活躍を「さすがにおぼえている」と書いています。さらに「監督の蔦先生も、まことに結構そうな先生である。戦中派らしいにおいがして、同世代の私にはなつかしい」と記していますが、同世代どころか生まれたのがわずか21日違い。ジャストミートのやまびこ同級生でした。

 

太宰久雄 : 『男はつらいよ』シリーズでおなじみの俳優。司馬さんは寅さん映画が大好きだったそうで「新作が出るたびに待ちかねて観る」と書いています。ある日本好きのアメリカ人女性から「あの映画でリアリズムは “社長” だけでしょ?」と追及され司馬さんはヨワるのですが、そのタコ社長が自分と同い年だと、ご存知だったかどうか。

 

番外編として

忠犬ハチ公 : 渋谷駅前で銅像になってるあのワンコも、司馬さんと同い年だそうです。100年前の犬でも生没年月日がはっきりしてるのがスゴイですね。残念ながら司馬作品が外国映画になった例はまだないようですが、ハチ公はリチャード・ギア主演でハリウッド映画になっちゃったよ。『燃えよ剣  STARWARS 版』なんて、できへんかなあ。

 

 

言うまでもなく、これらの皆さんはとうに故人(犬)であります。嗚呼。今の世の中を、天からどう見ておられますか・・・。

 

 この国のかたち危うき菜の花忌 

 

詠み人知らずです。お大痔に。