大動脈の人工血管置換という手術を受けますと、人工血管が身体に馴染むまでは熱が出たりします。また、手術により溜まった胸水が肺に吸収されるさいにも熱が出ます。これらを異物反応とか吸収熱とか呼ぶらしいのですが、要するに手術後しばらくは、毎日ではないにせよ熱にウンウンうなされることもあるわけです。
そんなある日、熱で汗だくになっている私を見かねた看護師さんが、蒸しタオルを何枚か持って来てくれました。青タオルと白タオル。
「これで汗拭いて、さっぱりしてください」
ありがたく一枚のタオルで顔をごしごし拭いておりますと、じっと見ていた看護師さんが言いました。
「あの。それ、おシモ用のタオルです」
おシモ用? つまりなんじゃ、肛門なんかを拭くタオルってこと?
「そうです。色で用途が違うの、説明されてなかったですか?」
聞いてへんわい! もっと早よ言わんかい。しっかり顔拭いてしもたやんか!
「ぷぷッ。だ、大丈夫。ちゃんと洗ってありま・・・ぷ、ぷぷぷぷ~ッ」
洗ってなくてどーする。そういう問題じゃなくてやな・・・
「しょ、消毒もちゃんと・・・ぷッ、ぷはははははははははは」
なにが可笑しいですか。好かんタコ。
普段は親切で可愛いヒトでしたが・・・女性は誰でも夜叉になる時があるのダ。つるかめつるかめ。
当時は「医療事故や!」 と思いましたが、今では笑い話です。いやホント。・・・でもこれから入院する皆さん、タオルの使い分けは最初に確認を。
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それにしてもあの看護嬢、よう笑いよった。今も元気に笑っとるかな。お大痔に。