木の葉ふりやまずいそぐないそぐなよ
この季節、きまって浮かんでくる加藤楸邨先生の句であります。時間に対して、もっとゆっくり流れてくれと願っているのか。はたまた、自分自身に対して生き急ぐなと言い聞かせているのか・・・。どっちにしても、晩秋の気分にピッタリはまります。
本格的に寒くなる前にちょっと長めに歩こう、というわけでいつもの農道散歩にいってまいりました。山では鹿も鳴いとるデ。
この日はエエ天気で、上着は要らんね。シャツの袖もまくって歩きます。いい汗かけそうで、ウルトラ季節外れな鼻歌がでます。
〽 あァ~ 夏休みィ~ ♪
飛行機雲が長く残るときは天気が下り坂へ向かっている、と聞いたことがありますが、この二日後には雨になりました。
れっきとした畑です。何の作物か分かります? ヒントは爽健美茶。また調子っぱずれな鼻歌がでるぞー。
〽 ハトムギ 玄米 月見草~ ♪
そうです。これはハトムギ畑。ハトムギって漢方薬にもなるそうですな。需要はありそうに思えるのですが、畑はあまり見ません。
おく山に紅葉ふみわけなく鹿のこゑきく時ぞ秋はかなしき
百人一首で猿丸太夫の作として知られる歌ですが、もともと出典の古今集では “よみ人しらず ” なんですね。百人一首におさめる以上、名無しのゴンベでは具合が悪いというので猿丸太夫の作ってことにしてまえ、と藤原定家さんが決めたんだそうで。平安貴族っちゅうのは無責任なコトしますな。
で、シカの声は聞けたのか・・・? 残念ながらこの日は聞けなかったのであります。ホンマざーんねん。
しかし、その夜遅く、寝ようとしていたら我が家のすぐ近くでフクロウが鳴いたのです。寝巻のまま外に出て、電柱のてっぺんで「ホッホゥ、ホロッポ ホ、ホゥ」と歌うシルエットを見上げていましたら、あっという間にからだが冷え切ってフルエがきました。昼間とは大違いの寒さ。
〽 寒い夜だから 明日を待ちわびて~ ♪
・・・ぶぇくしょんッ! あ、フクロウとんでった。
時間もとんでゆきます。明日から師走です。
寒波も来るとか。お大痔に。